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月刊誌「健康づくり」2002年7月号より

日本健康スポーツ連盟の取り組みについて

健康スポーツの普及を目指してさまざまな活動を展開
 日本健康スポーツ連盟は、昭和50年にアスレチッククラブ、フィットネスクラブの全国組織として設立され、昭和62年に文部省と厚生省共管の財団法人として認可された。健康スポーツの普及を図るとともに、健康スポーツ産業振興および健康スポーツ指導者の育成を促進し、健康スポーツ活動の基盤を整備することを目的に活動を行っている。日本健康スポーツ連盟の活動と「健康日本21」の実現に向けてどのような取り組みをしているのか、坂巻保彦常務理事に話を聞いた。

「東京オリンピックを契機として、見るだけではない参加するスポーツ、いわゆる社会体育の必要性が叫ばれるようになりました。それに伴って、米国の伝統的なアスレチッククラブをモデルに日本的な施設がつくられるようになったのです」。

 現在は73の法人(クラブ)が正会員として加盟し、また、270の厚生労働大臣認定健康増進施設(一定の条件を満たした施設に与えられる)が連絡会を組織し、その運営事務局を担っている。

 日本健康スポーツ連盟では、健康運動指導士やフィットネストレーナー養成講習会の運営、厚生労働大臣認定健康増進施設の認定のための調査、施設のコンサルティング事業、各種セミナーや研修会の開催、健康関連書籍の出版など幅広く事業を行っている。 

フィットネスクラブを地域の健康づくりの中核に!
 日本健康スポーツ連盟では、健康増進施設連絡会や健康スポーツ指導者研究交流会等において「健康日本21」に関する講演会を行っているほか、健康・体力づくり事業財団や関連団体と共同で「健康日本21推進セミナー」を各地で開催している。

「現在は、民間の健康増進施設(フィットネスクラブ)が各市町村等と連携し地域住民の健康増進に資することを目的とした、『健康日本21』の具体的事業モデルの作成を各種団体の協力のもとに急いでいます。まもなくその報告書ができあがる予定で、近々、東京と大阪で健康増進施設を対象にセミナーを開く予定です」。

 将来的には、健康増進施設を地域の健康づくりの中核にしたいという構想をもっている。
「全国各地に約1,700のフィットネスクラブがあり、健康に関心をもつ人たちが数多く集まっていますから、地域住民に対する健康情報発信基地として機能できる、また機能すべきであると考えています。例えば、日本ウオーキング協会さんが主催するウオーキングイベントだけでも大変な数にのぼりますし、各市町村等でもカルチャーやスポーツに関するいろいろなイベントを開催しています。そうした情報を地域住民に提供できる場にしたい。クラブのほうも、より積極的に地域とのかかわりをもつことが必要です」。

 「健康日本21」に関しても、もっと一般の人たちに知ってもらうための努力が絶対に必要であり、「例えば、町内会に依頼して回覧板で『健康日本21』をPRしてもらうといったことを考えてもいいと思います」。

中高年に対する適切な対応が今後の課題
 フィットネスクラブは最初のころ、運動・スポーツの好きな若い人を主に対象にしていたが、近年は中高年の会員が増加しており、多いクラブでは4割を占めるという。

「いまは中高年をターゲットに、その健康・体力づくりに主眼をおいてはいますが、特に高齢者への対応能力という面で決して十分とはいえないのが現状です。中高年者には運動・スポーツに対してつらいとか苦しいという先入観念があり、また、フィットネスクラブの敷居が高いと感じる人が多いようです」。

 健康づくりが目的なら別に頑張る必要はなく、指導者のもとで軽い運動を継続して週2回くらい行うことで十分効果を期待できるとのこと。運動を組み込んだ自分の生活のリズムを早くつくることが大切だという。

「日本ではまだ歴史が浅いため、こうした施設をうまく利用しきれない面もあります。ウオーキングにしても、適切な指導のもとに行えば自己流で歩くよりずっと効果が上がります。また、クラブには体力測定等の機器もそろっており、運動の成果を具体的な数値として確認できます。それは運動を続けるうえで大きな励みになるはずです」。

 坂巻理事はまた「運動の場としてだけでなく、もっと多目的に利用してほしい」とアドバイスする。米国の伝統的なクラブはレストランや宿泊施設を備えており、社交の場としても広く利用されているという。

「運動するだけでなく、今日はサウナに入るだけ、今日は仲間とおしゃべりするだけという利用の仕方でもかまわないんです。お風呂・サウナを目的に入会する、俗に風呂会員といわれる会員もいます。気軽にクラブに出入りし、心身のリフレッシュに役立てていただきたいと思います。特に中高年者の場合は、何か目標となるような楽しみの要素がないと運動を続けるのは難しいですから」。

高齢者が楽しめるスポーツ種目を増やす

 健康づくりのためのスポーツは、一生涯無理せず続けることが理想である。高齢者向きのスポーツというとゲートボールやウオーキングが代表選手のようにいわれるが、もっと選択肢を広げる必要があるということで、日本健康スポーツ連盟ではその一つとしてスローピッチソフトボール(メイジャ・マクレ・14リーグ)の普及に取り組んでいる。「元気な高齢者が多いとはいえ、女性に比べて男性は家に閉じこもりがちな人が増える傾向にあります。このような人たちに何か興味がもてるものということで、日本人になじみの深い野球感覚で楽しめる集団スポーツとしてのスローピッチソフトボールに注目しました。アメリカでは高齢者の間で広く行われ、世界大会まである人気スポーツです」。

 スローピッチソフトボールは、高齢者が無理なく、けがなく楽しめるよう安全を十分考慮したローカルルールのもとに実施される。盗塁・スライディング禁止、本塁上での接触プレーを避けるためホームベースが2つ用意されるなど、いろいろ工夫が施されている。グラウンドサイズも外野フェンスまで50メートルとコンパクトで、小学校のグラウンドでも十分ゲームができる。従来にない14インチサイズの大きなボールを使った、打つことを楽しむゲームである。

「年代ごとにリーグが分かれており、アメリカでは80歳のリーグもあります。プレーしている姿はとても80歳にはみえません。日本でも一部の元気なシニアたちがファーストピッチソフトボールを楽しんでいますが、誰もが参加しやすいスローピッチソフトボールを通して生涯にわたる健康・体力づくりに取り組み、また国内に限らず海外との交流の輪を広げてもらいたいと思います」。

 普及に向けて、日本健康スポーツ連盟では3年前から海外のチームを招待して「ジャパンカップ国際親善ソフトボール大会」を開催している。


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