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月刊誌「健康づくり」2002年12月号より

日本エアロビックフィットネス協会の取り組みについて

エアロビクスの普及と指導者の育成を目指す
 日本エアロビックフィットネス協会は、エアロビックエクササイズの普及と、その指導者の育成・啓蒙を目的に、1983年に設立された。その後、87年に厚生労働省所管の社団法人として組織を改編し、今年で15周年を迎える。

 エアロビクスは、酸素をからだに取り入れて心肺機能を強化する運動プログラムで、68年に米国で考案された。70年代に入るとエアロビックダンスが登場し、世界的なブームを巻き起こした。レオタードファッションに身を包み、音楽にのってダイナミックに踊る姿は鮮烈で、強いインパクトを与えた。エアロビクスが日本に紹介されて約20年、エアロビクスの現状、日本エアロビックフィットネス協会の活動、「健康日本21」への取り組みなどについて、鶴見幸子理事長に話を聞いた。
 
 「エアロビクスは一時期のブームが落ち着き、裾野が広がってきた状態です。エアロビックダンスの印象が強いため若者向けの運動というイメージがあるようですが、中高齢者向けのプログラムや、ステップ台、ボール、チューブを用いた運動など、さまざまなプログラムがあります。最近では、中高齢者や男性にも愛好者が増えています」

  日本エアロビックフィットネス協会は、エアロビクスの指導者の団体で、現在の会員数は約2,000人。会員の知識や技術の向上を図るために、機関誌や教材などの刊行、資格認定、講習会や研修会の開催、海外交流などの事業を行っている。また、健康・体力づくり事業財団の委託を受けて「健康運動実践指導者」の養成事業にも携わっている。

世界的ブ-ムを巻き起こしたエアロビックダンス 「当協会の会員はエアロビクスのインストラクターですが、今では仕事の幅が広がってエアロビクス以外の運動も手掛けていますし、医学の基礎知識、運動生理学、栄養学などの勉強をしていますから、健康づくりの指導者と考えていただいていいと思います。ですから、『健康日本21』の推進にあたって、実践の場で大きな戦力になるはずです」。

 日本エアロビックフィットネス協会では、総会や研修会などで「健康日本21」に関するパンフレットやシンボルマークを配付するとともに、「健康日本21」に連動する活動をいろいろ展開している。

誰でも気軽に楽しめる「フィットネスダンス」を創作
 「エアロビックダンスというと、ハードで若い人向き、外国からきたものといったイメージがあって、とても自分には無理とあきらめている方が多いと思います。私どもの協会も創設15周年を迎えましたので、それを記念して新たな活動を展開し、一人でも多くの方に健康づくりのための運動をしていただきたいということで、一般の方が気軽に楽しめる"フィットネスダンス"の創作に取り組むことにしました」

 フィットネス(体力)の保持・向上に有効なダンスを、親しみやすい日本の曲を使って行うもので、音楽に合わせてからだを動かすことの楽しさを知ってもらうのが狙いだという。こうした新しいダンスの創作は、山形県村山市の「スローバージョン徳内ばやし」、東京都東村山市の「東村山音頭パラパラ」、長崎県佐世保市の「よさこい鳴子踊り・高齢者向け健康づくりバージョン」など、すでにいくつかの市町村で始まっている。

 日本エアロビックフィットネス協会では、フィットネスダンスの創作プログラムを会員から募集し、9月に第1回全国大会を開催して入賞作品を決定した。
「最優秀賞に選ばれたのは、『手のひらを太陽に』という曲に合わせて、イスに座って手のひらを使って行う運動で、高齢者や障害者でも楽しめるプログラムです。なるべく多くの方に利用していただけるように、ビデオの作成などを含めて、どういう形にするか検討しているところです」

 このほかにも、「ドンパン節」「365歩のマーチ」など、誰でも知っている民謡やヒット曲を使用した優れた作品が数多くみられたとのこと。
「このフィットネスダンスは、保健師さんなどが保健活動の一環として運動を指導する際にも活用していただけると思います。以前から、一般の人にも親しみやすい運動プログラムがほしいという要望が寄せられていましたので、それもあって、フィットネスダンスに取り組むことにしたのです」

紹介パンフレットを作成して行政と会員との橋渡しを

 「いよいよ『健康日本21』への取り組みが本格化し、各市町村でも健康施策の実現にむけて動き出しています。ですが、何か健康づくりのイベントを企画しても、誰に指導を依頼すればよいのか分からないケースが多いようです。私どもの協会は、健康づくりの指導ができるプロフェッショナルの集団ですから、その架け橋の役割ができるのではないかということで、そのための紹介パンフレットを作成して、各自治体に送付しました」

 さまざまな自治体から問い合わせがあり、そのつど、その地域に住む適切な人材を紹介している。
 「地域の健康づくりに参加することで行政や公共施設との接点ができ、活動の場が広がったと会員の方々にも好評です」

 今後の課題は、運動を日常生活の中に定着させることだという。「健康日本21推進フォーラム」が昨年行った「健康と運動・スポーツに関する意識と実態調査」によると、健康維持の3要素の中で特に心掛けていることについての質問に対する回答は、食生活24.0%、休養13.8%、運動11.2%となっており、運動の実施率が最も低い。

 「健康づくりのために運動が必要なことは分かっていても、なかなか実行できないし続かないということでしょう。運動の習慣化を図るためには、地域や職域など、もっと身近なところで運動できる場をつくることが必要だと思います」と、鶴見理事長はいう。

 ウオーキングや体操など、どこでも、いつでも、一人でもできる運動もあるが、継続するには強い意志がいる。共通の場があったほうが続けやすいし、人の輪も広がる。

 「フィットネスクラブなどで運動できれば理想的ですが、近くに施設がないとか費用の問題などもあり、誰もが利用できるわけではありません。文部科学省が『地域スポーツクラブ構想』を打ち出して、学校施設などを利用したシステムづくりに取り組んでいます。運動の場があれば、私どもは人材の面で協力できますから、そうした試みが広く普及するといいですね」
 例えば、土曜日に近くの学校の体育館で、フリーのインストラクターがエアロビクスを指導するといった形が考えられるという。身近な場所で、あまり費用をかけずに好みの運動が楽しめるようになれば、運動習慣を持つ人が増えるのは間違いないだろう。
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