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月刊誌「健康づくり」2003年10月号より

長寿社会開発センターの取り組みについて
 長寿社会開発センターは、厚生労働省が実施する「高齢者の生きがいと健康づくり推進事業」の中央組織。明るい長寿社会づくりのための啓発普及、生きがい健康づくりの推進、在宅介護の振興、長寿社会への対応に関する調査研究などを行っている。

老人福祉開発センターから長寿社会開発センターへ改組
 長寿社会開発センターの前身は、昭和49年に設立された「老人福祉開発センター」で、その後、平成元年に「長寿社会開発センター」に改組された。その経緯や長寿社会開発センターの事業について、石倉満行事務局長、西秋和男企画振興部長に話を聞いた。
 「前身の老人福祉開発センターは、高齢者に関する調査研究やホームヘルパーなど高齢者の健康福祉関連事業従事者の養成研修などを行う組織でした。平成元年に政府がゴールドプランを打ち出し、高齢者の生きがい健康づくりを推進するための組織を中央と各都道府県に設置することが定められました。私どもがその中央組織に位置付けられ、長寿社会開発センターに改組したのです」
 平成2年には、老人健康保持事業を促進するため、老人福祉法第28条の2により、全国唯一の指定法人として厚生大臣(当時)の指定を受けている。
 長寿社会開発センターでは、都道府県組織である「明るい長寿社会づくり推進機構」の活動を支援するとともに、福祉・保健・医療関係団体、行政機関などと連携して、高齢者の生きがいと健康づくりを推進するためのさまざまな事業を展開している。
 「私どもでは、高齢者の生きがいづくりを支援する事業がメーンで、健康づくりはその延長線上でとらえています。『健康日本21推進全国連絡協議会』に参加していますし、明るく活力ある長寿社会の実現を目指しているのは『健康日本21』と同様ですが、医学的あるいは予防の観点からの健康づくりというよりは、もう少し広い意味での健康といいますか、生きがいに結びつくような形での健康づくりを奨励しています」

意欲的な取り組みをしている民間団体の事業を助成
 長寿社会開発センターでは、社会福祉・医療事業団からの交付金をもとに、高齢者の生きがい健康づくり事業を実施する民間団体に対して助成を行っている。
 「この〈民間の高齢者生きがい健康づくり支援事業〉は、私どもの事業の中でも重要なものの一つです。社会福祉・医療事業団の基金による原資が減ってきているため、なかなか思うようにいかないのですが、平成14年度は先駆的な事業を対象に55団体、68の事業に対して助成を行いました」
 高齢者の生きがいと健康づくりを推進するための啓発普及事業も行っている。
 「あと4〜5年すれば団塊の世代が高齢者に仲間入りします。この世代はスポーツや趣味を楽しむのに積極的で、カルチャースクールなども経験していますから心配ないでしょうが、いまの70〜80歳代の人たちはそうした経験が乏しいので、やはり生きがいや健康づくりのための誘導策が必要です。いずれは、後押しがなくても個人で活発にやる時代になると思いますが…」
 広報誌『ひょうひょう』や研究紀要『生きがい研究』を発行しているほか、各種のセミナーやシンポジウムを開催している。2002年9月の老人週間には、〈アクティブ・シニアが今こそ主役〉と題して、ラジオを通じて全国規模のキャンペーンを展開した。
 生きがいというのは人それぞれで、なかなか難しい問題だが、長寿社会開発センターでは「一人称の生きがいより、社会参加型の生きがいを奨励している」とのこと。自分ひとりで趣味を楽しむより、ボランティア活動や仲間づくりを積極的に行うほうが心身の健康にいいのだという。
 「最近は高齢者のライフスタイルや好みが多様化してきています。セミナーなどでは、夫婦で参加する人が大変多くなりました。また、以前は高齢者の趣味のスポーツというとゲートボールを連想しましたが、近ごろではウオーキングやグラウンドゴルフに人気がありますし、趣味も絵や写真が好まれるなど多様化しています」

高齢者のスポーツと文化の祭典「ねんりんピック」を開催
10月に開催される「ねんりんピック徳島2003」ポスター
10月に開催される「ねんりんピック徳島2003」ポスター
 ねんりんピックは、全国健康福祉祭の愛称で、高齢者を中心とするスポーツ・文化・健康と福祉の総合的な祭典。昭和63年に開始され、毎年一回開催されている。
 「ねんりんピックは、厚生労働省、開催地の地方自治体、それに私ども長寿社会開発センターの三者が主催しています。選手、役員を含めると約1万人が全国から集まります」
 明るく活力ある高齢社会を実現するためには、世代を超えて互いに理解し合い、助け合うことが必要という趣旨で、ふれあいや交流に重点が置かれており、高齢者だけでなく、子どもや若者を含めて幅広い世代の人たちが楽しめるイベントになっている。
 
平成13年に広島で開催された「ねんりんピック」の模様。スポーツ、文化イベントのほか、さまざまな催しが行われ、延べ61万人が参加した
平成13年に広島で開催された「ねんりんピック」の模様。スポーツ、文化イベントのほか、さまざまな催しが行われ、延べ61万人が参加した
平成13年に広島で開催された「ねんりんピック」の模様。スポーツ、文化イベントのほか、さまざまな催しが行われ、延べ61万人が参加した
健康関連イベントとしては、スポーツ交流大会(卓球、テニス、ソフトボール、ペタンク、ゲートボール、マラソン、剣道、弓道など)、ふれあいスポーツ交流大会(ウオークラリー、グラウンドゴルフ、太極拳、水泳など)、ふれあいニュースポーツ、健康づくり教室、健康フェアなど。福祉・生きがい関連イベントとしては、文化交流大会(囲碁、将棋、俳句など)、美術展、地域文化伝承館、相談コーナーなど。そのほか、シンポジウム、健康福祉器機展、音楽文化祭、長寿社会・私の主張コンクール、シルバーファッションショー、ふれあい広場など、さまざまな催しが行われる。
 「第1回のひょうご大会では、延べ参加人員は8万人でしたが、第11回の愛知・名古屋大会や第13回の大阪大会では70万人が参加しており、10年で約10倍近くになっています。16回目を迎える2003年は、10月18日から21日まで、徳島で開催されます。ぜひ多くの方々に参加していただきたいと思っています」

ホームヘルパーの養成や在宅介護の振興にも取り組む
前身の老人福祉開発センター時代から行っている「ホームヘルパー養成研修会」
前身の老人福祉開発センター時代から行っている「ホームヘルパー養成研修会」
 「老人福祉開発センター時代の事業も引き継いでおりまして、生きがい健康づくりの推進とホームヘルパーの養成研修、この二つが私どもの事業の両輪になっています」
 都道府県が実施するホームヘルパー養成研修事業を受託しているほか、テキストやビデオの作成を行っている。
 また、長寿社会への対応に関する調査研究にも取り組んでいる。
 「平成14年度は〈在宅介護高齢者の介護状況実態調査研究事業〉を行いました。介護サービスの現状を調査するとともに、ホームヘルプ活動を行う上で問題となっている医療行為のあり方について、ホームヘルパーと利用者の双方から意見を得ることによって、今後の展望を模索したものです」
 このほか、介護支援専門員の実務研修のあり方、効率的なケアプランの作成に関する研究なども行っている。

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