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月刊誌「健康づくり」2004年2月号より

全国社会福祉協議会の取り組みについて
 「社協」の略称で知られる社会福祉協議会は、昭和26年に民間の社会福祉活動を強化するために設けられた組織。市区町村、都道府県・指定都市、全国の各段階に設置され、地域福祉活動推進の中心的役割を担っている。

「福祉のまちづくり」を進める民間の非営利組織
 社会福祉協議会という名称は知っていても、どういう組織でどのような活動をしているのかについては、よく分からない人が多いようで、役所の一部門と思っている人も少なくない。社協の組織や活動について、全国社会福祉協議会(全社協)の野崎吉康企画部副部長に話を聞いた
 「社協は、地域の住民やボランティア、福祉・保健などの関係者、行政機関で構成する民間の非営利組織です。昭和26年に社会福祉事業法(現在の社会福祉法)に基づいて、民間の社会福祉活動を強化するために、全国、都道府県レベルで誕生し、ほどなく市区町村にも社協ができました」
 最も身近な市区町村社協は、地域住民のほか、当事者組織・親の会(各種障害者団体など)、ボランティア団体・NPO(民間非営利団体)、老人クラブ、民生委員・児童委員、社会福祉施設、福祉・保健・医療・教育などの関連機関、行政機関などで構成されている。
 「社協は、民間組織としての自主性と、広く住民や社会福祉関係者に支えられた公共性という二つの側面を併せ持っています。すべの市区町村(約3,400ヵ所)、都道府県・指定都市(59ヵ所)、そして全国レベル(全社協)に設置されており、そのネットワークによって活動を進めています」
 具体的な事業としては、住民の福祉活動の場づくり、仲間づくりの援助や、社会福祉にかかわる公私の関係者・団体・機関との連携、具体的な福祉サービスの企画、実施などを行っている。

在宅福祉サービスやボランティア活動の支援
〈第12回全国ボランティアフェスティバル〉は石川県で開催され、広瀬久美子さんらのテーマトークをはじめ、各地でさまざまなイベントが繰り広げられた
〈第12回全国ボランティアフェスティバル〉は石川県で開催され、広瀬久美子さんらのテーマトークをはじめ、各地でさまざまなイベントが繰り広げられた
年に1回、東京で開催される〈国際福祉機器展〉は、利用者と事業者の情報交換の場として人気が高い。30回目を迎えた昨年は、世界14カ国、629社が出展し、約14万人が来場した
年に1回、東京で開催される〈国際福祉機器展〉は、利用者と事業者の情報交換の場として人気が高い。30回目を迎えた2003年は、世界14カ国、629社が出展し、約14万人が来場した
 地域に密着している市区町村社協は、地域の福祉活動の推進、在宅福祉サービスの実施、相談活動、ボランティア・市民センターの運営などを行っている。
 「介護保険制度の高齢者介護サービスや福祉サービス、障害者、児童などの制度による福祉サービスを実施しています。在宅福祉サービスは、介護保険制度が始まる前から社協が先駆的に取り組んできた事業です。また、制度に基づく福祉だけでなく、新たな福祉サービスを開発して事業化し、きめ細かな生活支援を行っています」
 住民が自主的に運営している〈住民参加型在宅福祉サービス〉では、家事援助、話し相手、保育、朗読、代筆など多様なニーズに対応しており、社協はその育成や支援を行っている。
 「社協では、相談窓口を持っており、現在は〈福祉総合相談〉体制の整備を進めています。社協のネットワークをいかして福祉や生活に関するあらゆる相談に応じ、社協だけでは対応できない場合には、他の専門機関と連携して解決にあたります」
 ボランティア活動の支援は、社協の事業の大きな柱で、市区町村社協、都道府県社協、全社協が連携して積極的に取り組んでいる。全国ボランティア活動者数は700万人を超え、定年退職後にボランティア活動に参加する人が増えているという。ボランティア活動を体験・学習する機会を提供したり、ボランティア活動に関する情報提供、相談、活動先の紹介などを行っている。また、大災害発生時には、災害ボランティアセンターを立ち上げ、支援活動も行う。

高齢者などが気軽に集う「ふれあい・いきいきサロン」
 「『健康日本21』に関連する事業としては、市区町村社協が行っている〈ふれあい・いきいきサロン〉づくりがあります。高齢者の寝たきり・痴ほう予防、健康増進を図ることを目的に数年前から取り組んでいる事業で、閉じこもりがちな高齢者が気軽に集い、交流する場を提供するものです。高齢者だけでなく、障害者や子育て中の親と子が参加するサロンも増えています」
 もともと地域にあったお茶飲み会などを社協がサポートしてシステムづくりをしたもので、参加者には大変好評で、すでに全国20,000ヵ所以上のサロンが誕生しているという。活動内容はサロンによって異なるが、昼食、レクリエーション、ゲーム、歌や踊り、健康体操、健康チェック(血圧測定や健康相談など)といったプログラムが一般的とのこと。
 「近くのサロンに出かけて人と話をするだけでも生活に張りが出ますし、みんなで食事づくりをしたり、健康チェックを受けたりすることで、自然に健康や栄養について意識する習慣が身に着きます」
 高齢者が歩いていける場所にあることが重要なので、将来的には、町内会・自治会地域単位に数カ所開設することを目指している。また社協では、高齢者や障害者が安心して生活を送れるように、小地域をベースにした見守りのネットワーク活動を進めている。
 「ホームヘルパーが派遣されている場合は問題ありませんが、そうした制度からもれている人たちが多いのが実情です。そういう人たちは待っていても声を出してくれませんから、お節介のようですが、こちらから積極的に声を掛けていくようにしています」
 また、「健康日本21」に関連するものとしては、多くの社協が「健康日本21」の市町村計画づくりに参加しているとのこと。
 「例えば、島根県松江市では、福祉を含めた広い領域で『健康日本21』を展開する方針で、社協が中心メンバーの一つになっています」

福祉サービス利用者の支援や生活福祉資金の貸付も
 都道府県社協は、より広域にわたる福祉をサポートしており、福祉サービス利用者の支援、生活福祉資金の貸し付け、ボランティア活動の支援や福祉人材の養成などを行っている。福祉サービス利用者の支援には、〈地域福祉権利擁護事業〉〈福祉サービスに関する苦情の解決〉〈福祉サービスの第三者評価〉の三つがある。
 「〈地域福祉権利擁護事業〉というのは、自分の判断力に不安のある人を対象に、福祉サービス利用の援助、日常的な金銭の管理、重要書類などの預かりのサービスを、市区町村社協と連携して行うものです。これは、社会福祉法の改正で都道府県社協の事業に定められました」
 都道府県社協では、福祉サービスに関する苦情の相談を受け付け、中立の立場から解決を図る事業も行っている。〈福祉サービスの第三者評価〉は、福祉サービスの質の向上を図るとともに、利用者が選択する際の情報を提供するために、中立な立場から福祉サービスの質の評価を行うもの。この事業始まったばかりで、一部の社協で実施されている。
 〈生活福祉資金の貸し付け〉は、低所得者、障害者、高齢者世帯に対して、生活の安定を目的として、低利による資金の貸し付けを行うもの。失業者世帯を対象にした貸し付け事業(離職者支援資金)もある。
 「全社協は、都道府県社協の連絡・調整や、全国共通の課題への対応がメーンになっています。福祉サービスの質の向上や福祉制度の改善へ向けた取り組みのほか、福祉人材の養成、アジア諸国の社会福祉の支援などを行っています」
 全社協では、〈全国ボランティアフェスティバル〉や〈国際福祉機器展〉などのイベントの開催も行っている。


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