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月刊誌「健康づくり」2004年8月号より

日本健康倶楽部の取り組みについて
(社)日本健康倶楽部は、国民の健康の増進と疾病の予防に寄与することを目的に設立され、健康増進啓発事業、総合健康診断事業、調査研究開発事業などを行っている。

健診を軸にして健康増進事業を展開
 日本健康倶楽部は、昭和42年に厚生省(現厚生労働省)所管の公益法人として設立された。現在、健診機関・臨床検査機関・医療機関など20法人が会員になっており、全国に23の支部が設けられている。日本健康倶楽部の事業や『健康日本21 』への取り組みについて、大西久雄専務理事と林照夫理事(健康事業開発部長)にお話を伺った。
 「私どもの社団法人はもともと、国民の健康と体力の保持増進のための事業を行うために設立され、その後、昭和60年に新たに健康診査事業を加えまして、現在は健診事業を軸にして健康増進事業を展開しています」
 健康についての知識や情報を提供する〈健康増進啓発事業〉、健康診査・体力測定・健康指導などの〈総合健康診断事業〉、少子・高齢化の進展に伴う健康増進に関する〈調査研究開発事業〉の3つが事業の柱になっている。
 「そのほか、厚生労働省をはじめ、関連団体との連携を図りながら、『健康日本21 』運動や各種の健康関連イベントに積極的に協力することによって、国民の健康づくりを支援しています」

健康情報誌の発行や講演会・セミナーの開催
日本健康倶楽部の機関誌「健康日本」と「健康管理情報」
 日本健康倶楽部では〈健康増進啓発事業〉として、健康情報誌の発行、講演会やセミナーの開催などを行っている。
 「月刊誌『健康日本』は、創立時から発行しているもので、一般の人向けに、健康・医療に関する最新情報や実践的なアドバイスなど、身近で健康に役立つ情報を提供しています。特集は毎号『健康日本21』に関連するテーマを取り上げています」
『健康日本』は約1万部発行されており、個人購読者のほか、各支部を通じて企業および諸団体・病院などに配付されている。
 また、『健康日本』の別冊として『健康管理情報』を発行している。こちらは地方自治体、企業や健康保険組合などの健康管理担当者を対象にしたもので、行政の動向や法令通達、健康づくりに必要な技術・専門的な知識に関する情報掲載している。
〈すすんで健診・健康づくり〉シリーズ
 「生活習慣病を予防するための小冊子などの発行も行っています。厚生労働省等の監修による『マンガ健康BOOK』は大変好評でしたが、2003年度から新たに〈すすんで健診・健康づくり〉シリーズの発行を始めました。こちらは簡単なリーフレットですが、制作費が安い分、より多くの人に配付できます」
 〈すすんで健診・健康づくり〉シリーズは、生活習慣病予防や健康づくりの知識を分かりやすく解説したもので、昨年度は「健診」「睡眠」「食生活」「高脂血症」「糖尿病」「C 型肝炎」の6種類を各10万部ずつ、計60万部発行した。これから毎年度、6種類ずつ発行していく予定だという。
 ホームページでの情報提供も行っており、最新の医療・健康情報のほか、危険因子から各疾患の危険度をチェックする健康自己チェック、健診結果からみた生活習慣改善のアドバイスなど、健診機関ならではの項目が設けられている。
 「健康づくりの知識や『健康日本21』運動の普及・啓発のために『健康増進講演会』を年2、3回開催しているほか、一般の人や自治体・企業の健康増進担当者を対象に、各種の健康づくりセミナーや研究会を開催しています。一般向けのものをもっと増やしたいのですが、予算の関係でなかなか思うようにいないのが実情です」
 また、日本健康倶楽部では自治体や健康保険組合と協力して、疾病予防、健康づくりに関する知識の普及や指導を行う「健康教室」を全国各地で開催している。

健診と健康指導を併せて行い生活習慣の改善を図る
 健診事業は日本健康倶楽部の事業の大きな柱になっており、年間の健診受診者数は約100万人にのぼるという。
 「近年は、健康診査だけでなく、健康指導や健康相談の要請が増えてきました。健診のデータは、健康づくりのきっかけになります。例えば、コレステロール値が少し高いという人に対してはきちんと事後指導を行うことが大切で、生活習慣の改善を図るためには、健診と健康指導を併せて行うのが効果的な方法です。将来的には、健診・健康指導に加えて、介護予防をも視野に入れたトータルな健康づくりを目指したいと考えています」
 それを実現するためには、解決すべき課題がいくつかあるという。日本健康倶楽部が健診受診者を対象に行った調査によると、健診結果について相談したいことがあった場合の相談先として、かかりつけ医や家族がそれぞれ約40%だったのに対して、健診実施機関は10%程度にすぎなかったとのこと。
 「健診実施機関が事後指導の中核となるためには、情報の収集や技術の向上に努め、受診者の多様なニーズに応えられる力をつけるとともに、健診実施機関への相談を誘導する対策を講じる必要があります」
 日本健康倶楽部では、健診の精度を高めるために、2003年度から〈巡回健診総合精度管理推進評価機構〉を発足させた。
 「健診のマニュアルはありますが、長年続けているとどうしても慣れが出るといいますか、基本がおろそかになることがありますから、ときどきチェックするシステムが必要です。書類審査だけでなく、調査指導員が実際に健診現場に出かけて、受診者への応対なども含めて調査指導を行います」
 2003年は16支部(健診実施施設)に対して調査指導を実施した。今後、この事業をさらに充実させ、受診者の安心と信頼の確保に努める方針だという。

〈地域健康づくり推進員〉の養成システムの開発に取り組む

 「調査研究開発事業には、厚生労働省からの委託事業と、私どもが独自で行っているものとがあります。厚生労働省からの委託事業としては〈中・高齢者における健康増進および生き甲斐としての就労のあり方に関する調査研究〉を継続して行っています」
 少子・高齢化の進行に伴って、新たな社会システムと充実した社会保障制度の再構築が求められている。
 「高齢者の就労を促進することは、豊かで活力ある高齢社会を構築するうえで重要な意義を持っています。高齢者本人にとっては、経済的自立、生きがい、健康保持などのメリットがあり、社会的には経済の安定と社会保障制度の維持に貢献できる可能性があります。2003年度は、(社)全国シルバー人材センター事業協会に協力を依頼して、高齢者が再就労を継続するための身体的・精神的要因について検討するための調査を実施しました」
 独自の調査研究としては、健診受診者に対して〈健康増進に関する意識調査〉などを行っている。
 「現在、私どもが力を入れているのは〈地域健康づくり推進員〉の養成です。『健康日本21 』ならびに健康増進法に基づく健康づくりを浸透させるためには、住民みずから健康を豊かな人生を歩む手段として総合的にとらえられる、実務指導能力を持った人材が必要なのです」
 栄養あるいは運動に関して教えられる専門家はいても、生活全般にわたってトータルに健康づくりを支援・指導のできる人材は少ないとのこと。
 「自治体、諸団体および各支部の実務者から情報収集に努め、必要なノウハウを有する指導員の養成に関して検討を進めてきました。現在、沖縄支部が北中城(きたなかぐすく)村から要請を受けて、その指導者の養成に取り組んでいます。さらに、それを全国的に進める態勢づくりを模索しているところです」
 今後、各支部において〈地域健康づくり推進員〉の養成に積極的に取り組んでいく方針だという。

〈地域健康づくり推進員〉を養成するための「元気アップ講座」の模様

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