一覧へ戻る    Homeへ戻る

月刊誌「健康づくり」2004年月11号より

(財)日本3B体操協会の取り組みについて
 (社)日本3B体操協会は、3B体操の普及を目的に1971年に設立され、昨年、文部科学省所管の社団法人として許可された。指導者の養成、機関誌の発行、大会や講習会の開催等の事業を行っている。

一主婦の創案した体操が全国に広がった
 3B体操は、ボール、ベル(空気袋)、ベルター(ビニール製のひも)という3つの補助具を使用し、音楽に合わせて行う健康体操。ボール、ベル、ベルターの頭文字をとって、3B体操と名付けられた。
 3B体操は1971年に、福岡市の一主婦だった大迫テル子さん(日本3B体操協会の初代会長)によって創始されたという。一主婦の考案した体操がなぜそれほど人気を集め、全国に広がったのか。3B体操の魅力や現在の日本3B体操協会の活動、『健康日本21』への取り組みなどについて、佐藤雅子理事長にお話を伺った。
 「創始者の大迫テル子は、鹿児島で教師をしていましたが、結婚して福岡の団地に移り、生活の変化によるストレスや二度にわたる高齢出産などで体調をくずし、肥満やノイローゼに苦しみました。何とか健康を取り戻したいということで、美容体操やヨガ、スウェーデン体操などさまざまなことをやったそうですが、もともと運動嫌いだったこともあり、どれも長続きしなかったそうです」
 それがあるとき、長女がピアノ練習で弾いている童謡に合わせて運動したところ、自然に体が動くことに気づき、また、お尻の下に座布団を敷いて足を上げるとらくに上がることから、補助具を使うことを思いついたのだという。
 「それをヒントに、自分でできるやさしい体操を工夫し、半年ほどで驚くほどスリムになったのです。その体験談が団地の同年代の主婦たちの関心を呼び、団地の集会所で教えるようになりました。それが3B体操の始まりで、口コミで福岡中の団地に広まっていきました」
 1974年に、福岡市に3B体操協会本部が設立され、その後、転勤族の指導者が各地に3B体操を伝え、全国に広まったという。
 「大迫テル子という一主婦が始めた体操が、女性を中心に驚くべき速さで広まった理由としては、レクリエーション的なやさしい動きが多く取り入れられていて、運動が苦手な人や体力のない人でも楽しめることが挙げられると思います。それに、一度やっていただければわかりますが、とにかく体が心地いいんです。3カ月くらい続ければ心と体の変化を実感でき、ずっと続けたくなります」
 それに加えて、競技スポーツから健康スポーツへと変わりつつあった時代の流れも後押ししたと佐藤理事長は言う。そのころは、まだ健康体操という言葉もなかった時代で、3B体操はその先駆けでもあった。

赤ちゃんから高齢者まですべての人が楽しめる健康体操
ベビーとお母さんの体操の様子
ベビーとお母さんの体操
成人女性の体操の様子
成人女性の体操
高齢者の体操の様子
高齢者の体操
 主婦のサークル活動として始まった3B体操は、全国規模の組織へと発展。昨年、長年の念願だった社団法人として許可された。現在、全国に14のブロックがあり、全国の指導者数は約2,200名、創立以来の登録会員数は47万人にのぼるという。
 地域の公民館、コミュニティーセンター、体育館などで開催している教室は約5,900カ所、自治体、学校、病院、福祉施設などの要請により開催している講座や講習会は約4,600、受講生は186,000人に及ぶ(2003年12月末)。
 「これまでは主に女性を中心に広がってきましたが、現在は時代の要請に応じて、ゼロ歳から百歳までの幅広い層を対象にしています」
 年齢別に〈ベビーとお母さんの体操〉〈親子体操〉〈ジュニア体操〉〈成人女性の体操〉〈高齢者の体操〉〈障害のある人の体操〉の6つのクラスに分け、それぞれの年代に応じた心と体の成長促進や健康維持・増進、健康回復を目指している。
 「ベビーとお母さんのクラスでは、お母さんが赤ちゃんをやさしくマッサージしたりして成長を促します。お母さんにとっては産後の体力回復に役立ちますし、赤ちゃんと触れ合うことで子育てへの自信が生まれます。高齢者の場合は大勢の仲間と運動を楽しむことによって、肉体ばかりでなく精神面のケアもできます。また、健常者だけでなく障害のある人向けのクラスも設けています。3B体操では手具の助けを借りて体を動かすことができるので、障害による機能回復に効果があります」
 具体的な運動プログラムは、若さを維持するためのストレッチ、全身の持久力を高める運動(生活習慣病の予防に役立つ)、基礎体力を維持するための筋力運動、心身をリラックスさせるためのレクリエーション的な運動などが組み合わされ、年齢、体力、対象者に合わせてアレンジされる。時間は、1回につき1時間から1時間半で、週に1〜2回の割で行われる。
 日本3B体操協会では、こうした教室や講座のほか、大会や各種の集いを開催したり、国体をはじめ、全レク、スポレクや各地のイベントにも積極的に参加している。

地域の健康づくりと生涯スポーツの普及を目指す
機関誌「3Bライフ」
日本3B体操協会の機関誌「3Bライフ」。指導者会員向けに毎月発行されている

 「『健康日本21』の趣旨は、自分の健康は自分で守り、健康寿命を延ばそうということです。3B体操は“健康で安らかな心”“健康で美しく”“健康で美しく老いる”がスローガンです。目指すところは『健康日本21』と同じですから、3B体操の普及に努めることが『健康日本21』の推進につながると考えています」
 日本3B体操協会では、指導者会員のための機関誌「3Bライフ」に『健康日本21』関連の記事を掲載し、この運動の目的・趣旨・意義の周知を図るとともに、催事会場に『健康日本21』のポスターをはり、受講者にも積極的にPRしているという。
 「健康・体力づくり事業財団から、インターネットを利用した中高年者の『健康日本21』に関連する意識調査のデータを送っていただきました。それを拝見すると、取り組みたい課題の一番目は、がんについての知識を得ること、二番目に体力を維持するための軽い運動を挙げておられます。健康のために何か運動をしたいという方々に、ぜひ3B体操をおすすめしたいですね」
 日本3B体操協会では、各地で無料講習会等も行っており、要請があれば、どこへでも指導者を派遣するという。しかし、会場を確保するのが大変で、「会場探しにいつも苦労している」とのこと。公民館などの公的な場所は希望者が多く、継続してとるのはなかなか難しいのだという。
 「主婦だけでなく、働いている女性や男性にも3B体操を普及したいと考えているのですが、仕事をもっている人は夜か日曜日でないと参加できないので、会場を確保するのが大変です。健康づくりのための運動は日常的に続けることが大切で、そのためには、身近なところに運動できる場を設けることが必要だと思います」
 この問題について、文部科学省では「総合型地域スポーツクラブ構想」を打ち出し、生徒数の減った小学校の空き教室を利用するプランなどが検討されているという。
 「ただ、総合的にプロデュースするのが難しいといいますか、例えば、学校の使用については、自治体(教育委員会)・地域住民・学校の三者の連携がうまくいかないと難しいのが実情です。こうした例は、ほかにもいろいろみられます。健康づくりを推進するには、文部科学省と厚生労働省、さらに関連団体がもっと緊密に連携していくことが必要ではないでしょうか」
 日本3B体操協会では、社団化を契機に、地域社会における健康づくりと生涯スポーツの普及を目指して、さらに活動の幅を広げていく方針だという。


一覧へ戻る    Homeへ戻る