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月刊誌「健康づくり」2005年4月号より

日本レクリエーション協会の取り組みについて
(財)日本レクリエーション協会は、レクリエーションの総合的な普及振興を図ることを目的に、昭和22年に設立された。レクリエーション指導者の養成、多様なレクリエーション活動の普及やそのためのシステムづくりなどを行っている。
 
レクリエーションを通じて健康づくりと地域の活性化を

日本レクリエーション協会の歴史は古く、昭和13年に「日本厚生協会」として発足。その後、昭和22年に「日本レクリエーション協会」に改称して新たにスタートした。日本レクリエーション協会の活動や『健康日本21』との関連について、浅野祥三事務局長にお話を伺った。

「レクリエーションは子どもから高齢者までだれでも楽しめて、心身のリフレッシュや健康づくりに役立ちます。また、レクリエーション活動を通じて仲間をつくり、コミュニケーションを深めることによって、温かな交流のあるまちづくりを目指しています」

日本レクリエーション協会では都道府県レクリエーション協会や市町村レクリエーション協会、種目・領域団体などと連携して、各種のレクリエーションの普及振興に取り組んできた。こうした活動が評価され、平成5年に公益性の高い財団法人に認められる「特定公益増進法人」として認定された。

「『健康日本21』の目標はすべての国民が健康で心豊かに生活できる活力ある社会の実現で、当協会の目指すものも同じです。私どもでは特に『健康日本21』に向けた事業を行ってはいませんが、日々のレクリエーション活動の推進を通して『健康日本21』の実現に貢献できると考えています」

レクリエーションはスポーツから芸術・文化活動まで大変間口が広く、さらに切り口を変えることによって、実に多様な活動が展開できる分野である。

「私どもでは、常に時代の要請に応えてさまざまな事業を進めてきました。昭和30年代から50年代までは企業の福利厚生(レクリエーションや健康づくりリーダーの養成)に力を入れてきましたが、近年は福祉分野にも目をむけ、現在は、高齢者の介護予防と子どもの健全育成に重点をおいて事業を展開しています」
 

多様なレクリエーションの普及振興を図る
【日本レクリエーション協会では、各種の大会やイベントを開催している】
「全国レクリエーション大会」
「全国スポーツ・レクリエーション祭」
日本レクリエーション協会では、今後のレクリエーションの課題を「生涯スポーツ」「ネイチャーレクリエーション」「福祉レクリエーション」「芸術・文化・学習活動」の4つの柱に整理して、普及・振興を進めている。

「スポーツというと競技スポーツを連想し、きつい、苦しいというイメージをもっている人が多いようです。しかし、スポーツに対する考え方も変わってきており、健康づくりや楽しみのためにスポーツをしたいと望む人が増えています。私どもでは、だれもが、いつでも、どこでも、いつまでもできて、競技性のみにとらわれず、人と人との交流や 場を支えるといった楽しさを追及した生涯スポーツを提案しており、そのための環境整備にも取り組んでいます」

日本レクリエーション協会は、活動の成果発表の場として、また各自に合ったスポーツを発見する機会を提供する場として、「全国レクリエーション大会」「全国ニュースポーツフェスティバル」「全国スポーツ・レクリエーション祭」などを開催している。

「スポーツ人口の拡大を目指して文部科学省が進めている〈総合型地域スポーツクラブ〉づくりのお手伝いもしています。これは、地域住民が自主的・主体的に運営し、だれもが会員になれて、さまざまなスポーツやレクリエーションが楽しめるクラブです」

地域住民が中心となってクラブを継続的に運営していくためには、さまざまな課題があるが、少しずつ全国各地で広がっているという。ネイチャーレクリエーションは自然に親しむだけでなく、自然を守り、育む野外レクリエーションのことで、自然の価値を体験的に理解することができる「ネイチャーエクスプロアリング(自然探検活動)」というプログラムを開発した。

福祉レクリエーションの分野では、高齢者や障害者と健常者がともに遊びを楽しむなかで、お互いの理解を深めることを目指しており、用具や遊び方を少し変えることによって一緒に楽しむことができるプログラムなどを紹介している。

芸術・文化・学習活動では、楽しく学び愉快に創るをコンセプトに、地域の祭りの復活と新しい創造、お手玉による3世代交流など、活動自体を楽しむだけでなく、地域の活性化やコミュニティーの創造に結びつく活動の掘り起こしに取り組んでいる。
 

公認指導者は 全国で約12万人

日本レクリエーション協会では多彩なレクリエーションの機会を提供し、支援を行う人材の養成に力を入れており、そのための講座・講習会を実施している。公認資格には、レクリエーション・インストラクター、レクリエーション・コーディネーター、福祉レクリエーション・ワーカー、余暇生活相談員、余暇生活開発士、グループレクリエーション・ワーカーがあり、これらの資格を持つ人が約12万人いる。

「これらの公認指導者が全国各地でレクリエーション活動のサポートをしています。また要請があれば、ニーズに合った指導者を派遣する事業も行っています」

広報事業として月刊『REC』を発行しているほか、レクリエーションに関する各種の出版物を発行しており、インターネットのホームページでも情報提供を行っている。

また、レクリエーション教材や用具・用品の開発にも積極的に取り組んでいる。
 
介護予防にむけたプログラムの開発を目指す

「高齢社会においては、高齢者の健康維持が大きな課題になります介護予防という側面からみてレクリエーションは欠かせないものですから、高齢者向けのプログラムの開発、人材育成、システムづくりに取り組み、全国で展開しています」

これまでにも、さまざまな遊びを体験する「趣味と遊びの発見講座」、そこで出会った人たちと継続して活動を楽しむための「遊友クラブ」設立などの仕組みをモデル事業を通して紹介し、地域での在宅高齢者の社会参加活動を進めている。また、高齢者や障害者の社会参加を促すための「バリアフリーの散歩マップづくり」なども行っている。

「人材育成の一環として、介護福祉士やホームヘルパーなど、介護や生活支援に携わる専門職を対象にしたレクリエーションセミナーを開催し、レクリエーションの視点から介護や生活支援のあり方をともに考え、いろいろな提案をしています」

  
日本レクリエーション協会では、(財)長寿社会開発センターの助成を受けて、高齢者の介護予防プログラムの開発に取り組んでいる。   子どもたちの健全育成を目的に、昨年から「全国一斉“あそび日”キャンペーン」を展開。今年も5月に全国で実施される。
子供の居場所 「遊びの城」づくりを推進

子どもたちを取り巻く環境が変化し、いじめ、不登校、引きこもりなど子どもの問題行動が増加し、その対策が求められている。

「子どもの健全育成のためには多様な世代、多様な人々との交流の場が必要です。文部科学省は子どもの居場所づくり事業に取り組んでおり、私どもではその委託を受けて、子どもの遊び場・居場所としての〈遊びの城〉づくり推進事業に取り組んでいます」

これは、放課後や土日に学校の空き教室などを利用し、地域の人々の協力を得て、異学年交流や体験活動を通して子どもの自主性・社会性・創造性を育むことを目指している。

「内容は地域によって異なりますが、季節の行事、不用品を使った作品づくり、歌や踊り、スポーツ、グループゲーム、自由遊びなど、多彩なプログラムを展開しています。また、子どもの体力低下が問題になっていることから、NHKと共同で子どもの体力向上につながる踊り(体操)の開発に取り組んでおり、テレビでも放映されるという。


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