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月刊誌「健康づくり」2001年8月号より

「健康長寿しまね」について

島根県健康福祉部次長 三宅 智

1.健康長寿しまね …目標は健康長寿日本一
 島根県は高齢化率が平成12年で25.78%と全都道府県中で最も高く、15年近く先の日本全体の高齢化率に匹敵している。県土は比較的広いが山間地が多いため人口が少なく、過疎化、少子化が進行している。こうしたなか、県では平成5年に「定住条件の確立」と「存在意義の構築」を基本理念にした長期計画を策定し、「住みよい島根」「住みたい島根」「存在感のある島根」を築くことを目標に取り組んでおり、これに基づいて平成12年に第3次中期計画を策定したところである。このなかで健康福祉部門については心豊かに健やかに暮らせる福祉社会の実現を目指して「全国に先駆けた高齢者福祉社会の実現」「生涯を通じた健康づくりの推進」「温かなふれあいのある地域社会の形成」「子どもが健やかに生まれ育つ環境の整備」を柱に取り組んでいる。
 平成11年8月に平成9年の医療法改正と平成12年の介護保険制度開始に対応するため1年前倒しで島根県保健医療計画(しまね健康プラン)を改訂したが、この際に健康日本21に歩調を合わせ(というか、先取りして)、地域保健と医療・福祉との一体化推進とともに疾病別の死亡率の低下とそのための生活習慣改善、行動目標を具体的に数値化して定めた。この際に健康水準向上の最終の目標として、平均寿命では男性が全国10位以内(平成7年22位)、女性は全国1位(平成7年3位)、また65歳における平均自立期間を男性・女性とも全国1位(平成7年男女とも5位)とすることを目指している。このチャレンジングな目標に向けて、平成12年度に県民運動として「健康長寿しまね」の推進に取り組んでいるところである。

2.健康長寿しまねの活動の柱と戦略
 健康長寿しまねの活動の柱は次の3点である。
(1) 生涯を通じた健康づくり
(2) 生きがい活動
(3) 要介護状態の予防
 すなわち、単に健康づくりだけにとどまらず、高齢者を中心に経験を生かした就労の場づくりや学習の場づくり、世代間交流などさまざまな社会活動への参加を通じて生きがいをもってもらうことで、さらに健康と要介護状態の予防に自ら取り組んでもらおうという狙いである。
 さらに、この事業は健康を支援する環境づくりを基本戦略として住民組織、企業、マスメディア、教育機関、各種団体、保険者、保健医療専門家、行政などが一緒になって次のような3点の活動を展開することとしている。
(1) 住民主体の地域活動の展開
(2) 行政施策の推進と行政内多分野との連携
(3) 広範な関係機関・民間団体などの連携・協力
 また、具体的な健康づくり数値目標は、従来からの人口動態統計などの既存のデータに加え、基本健康審査結果や母子検診、学校検診の結果のほか、県が独自に健康栄養調査や県民健康調査、歯科調査、高齢者実態調査、喫煙対策に関する調査などを行ってきており、これらをもとに設定がされている。今後中間見直しや最終評価に向けて、適宜、健康指標についての必要な調査を計画的に行うこととしている。また、県の保健環境科学研究所(旧衛生試験所)では、さらにきめ細かな健康指標の分析を行って、対策に生かす取り組みが行われている。

3.健康長寿しまねの推進体制
 健康長寿しまねの推進のために、健康長寿しまね推進会議事務局を(財)しまね長寿社会振興財団に置くとともに基金を積み増して6億円をこの事業にあてることとしており、県の健康福祉部健康推進課と一体となって事業を進めている。さらに県民の運動推進母体としては平成12年8月に職域、学校、関係団体、住民組織、保健医療専門家、行政関係者などにより組織された健康長寿しまね推進会議が発足したところであり、これを受けて県下の7圏域でも、それぞれ健康福祉センターが事務局となって圏域推進会議も発足している。
 また、今年3月には圏域健康長寿しまね推進計画策定マニュアルを策定し、さらにこの5月に健康長寿しまね市町村計画策定指針を作成したところであり、現在、これに基づいて各圏域と市町村で計画策定が取り組まれているところであるが、今年5月時点で既に6市町村で計画が策定されている。

4.現在の具体的な取り組みについて
 従来の健康づくりや老人保健事業、母子保健事業、歯科保健事業、職域保健、学校保健に加えて、健康長寿しまねのために財団が実施する事業として啓発広報、推進フェア・フォーラムの実施や運動指導士などの専門家、アドバイザーの派遣やウオーキングマップの作成が圏域ごとに行われている。また、生きがい活動としては長寿振興財団の基金により「夢ファクトリー事業(高齢者就労の場づくり)」「ゆうゆうアカデミー(高齢者の学習の場)」「ほのぼの世代間交流事業」「暮らし輝くシルバー事業(地域社会づくり)」「健康生きがいづくり事業」が行われている。さらに要介護状態の予防のために「高齢者丸ごと安心生活サポート事業」として生きがい対策や介護予防、生活支援による自立支援を行うとともに、地域リハビリテーション整備事業に取り組んでいるところである。
 健康に対する住民のニーズは従来にも増して高くなってきており、宍道湖や松江城周辺をジョギング、ウオーキングする人の姿も増えてきているように感じるが、人が健康づくりのために生活習慣を変え、それを継続してゆくためには粘り強く継続的な努力を積み上げてゆく必要がある。高い目標に向かって県民が力を合わせて自ら取り組む健康長寿しまねの推進のために、さらに科学的なアプローチと地に足のついた取り組みが必要であると感じている。



健康長寿日本一

健康長寿しまね推進会議
健康長寿しまねの推進

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