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「健康日本21・埼玉県の取り組みについて」


「すこやか彩の国プラン21」の特徴
 
◆役割を明確化し、〈皆で進める〉ことで生活習慣の改善を目指す


  埼玉県は、全国で2番目に若い県であるが、合計特殊出生率は低位7番目(平成15年1月21日)、高齢化が他都道府県よりも速いスピードで進行するという課題を抱えている。こうしたなか、県では、国の「健康日本21」を先取りする形で、平成10年に県民の健康づくり総合計画「健康づくり行動計画」を策定し、「すこやか彩の国県民会議」(県、市町村、関係機関、企業、NPO、マスメディア等380団体加入)を母体に推進してきた。「すこやか彩の国プラン21」は、この計画の理念や基本方針を継承し、具体的な目標や指標などを新たに盛り込む形で策定された。
 「彩の国プラン21」は、〈県民一人ひとりがいつまでも健康を実感しながら、いきいきとした生活を送ることができる「すこやか県民の実現」〉を目指す姿とし、生活習慣の改善を中心にしていること、目標の分野ごとに県民、民間団体・企業(関連団体)、市町村、県の役割をそれぞれ明示していることが大きな特徴となっている。

 

◆QOLレベルを重視し、6分野・72項目の数値目標を設定


  これまでの取り組みを踏まえて、「食生活」「身体活動」「休養」「歯科保健」「アルコール」「たばこ」の6分野に絞り、72項目の数値目標を設定している。 また、目標の設定では、QOL(生活の質)レベルを重視し、〈会話をしながら食事を楽しむ機会を増やす〉(食生活)、〈家族や仲間と楽しくからだを動かせる機会を提供する〉(身体活動)、〈楽しみや生きがいを持っている人を増やす〉(休養)などというように、県独自の指標を設定している。

 

 これまでの主な取り組み

 県では、昭和61年から、県のすべての施策を健康づくりの視点で展開するという考え方で健康づくり県民運動に取り組んできており、本計画の策定・推進においてもヘルスプロモーションの考え方に立ち、情報提供や人材育成、環境整備を重点に進めている。

 

◆個別事業等

県民向け「健康づくりプログラム」の作成
 県民主体の健康づくりを推進するためには、計画の目標を共有化し、県民が健康づくりの重要性を理解し実践のための知識・方法を習得することが重要である。県では、〈埼玉都民〉が多いことなども踏まえ、さまざまなレベルで情報提供に力を入れている。その1つが県民向けA4判の「健康づくりプログラム」の制作。女性の65歳以上平均自立期間が全国ワースト3位にあることなどから女性を主なターゲットにして、これまでに転倒防止運動、身体活動量アップのための運動方法、思春期骨粗しょう症予防プログラム、女性の健康応援プログラム(尿失禁対策)など、イラスト等を活用したわかりやすい形のものを各種発行してきた。

「ときめき ながら運動より」


地域特性を踏まえた食環境の整備
 埼玉県は全国でもトップクラスの野菜産地である。この地域特性を踏まえ、食生活分野では、目標の1つに〈おいしくて安心できる食材や食事を提供する環境を整える〉を掲げ、健康づくり協力店(メニューに栄養成分表示をした県指定の飲食店)の店舗数、有人農産物直売所数、県内産物を使用した食品数(ふるさと認証食品)、有機農産物等認証面積、市町村保健センターの管理栄養士・栄養士の配置数の5つの指標を設けており、関係機関・団体等と協力して積極的に取り組んできている。平成16年度にまとめた現況評価では、管理栄養士等の配置を除き、いずれの指標も向上の方向にある。

身体活動を推進するため、健康運動実践指導者の養成
 身体活動の分野は、食生活に比して実践プログラムなどの情報も実践指導者も不足している現状から、前述の身体活動量アップのための運動や転倒予防運動の普及、県の健康づくり拠点「県民健康福祉村」等を活用した実践体験機会の提供などを図っているほか、これまでに100人以上の健康運動実践指導者の養成を行っている。

 

◆市町村への支援と市町村の計画策定状況

 市町村計画の策定を支援するため、計画策定プロセスについて習得するための市町村職員向け研修会を開催したほか、保健所による情報提供、技術支援などを行っている。  市町村計画の策定状況は、平成17年3月現在、策定済みが85市町村のうち32市町村で4割を切っており、今後、健康情報の提供などを通じて策定のための支援強化を図る予定。

策定済み
17年度策定予定
18年度策定予定
策定時期未定
32
 6
2 
45
85市町村

 

 中間評価の取り組み等

 平成16年度に現況評価を行うとともに、評価・見直しのため県・市町村・関係機関団体等で構成する「すこやか彩の国プラン21推進検討会議」を立ち上げ、第1回検討会議を開催した。17年度には、課題を整理し、これまでの取り組みに対する県民コメント、今後の目標値の取り扱い、具体的な事業展開などについて検討を行い後期計画を策定する予定である。
 中間評価の枠組みとしては、(1)計画策定プロセス、(2)目標達成のための活動状況、(3)目標の達成度を考えている。それぞれの評価項目は下表のとおりである。また、健康づくりを総合的に評価する「総合指標」について検討を行っている。

(1)計画策定プロセス
1) 計画策定プロセス(策定時のメンバー構成、ニーズ把握など)
2) 計画内容(目標、具体的な取り組みの明示など)
(2)目標達成のための活動状況

1) 計画の推進と進行管理(計画の周知、進行管理組織、モニタリングシステムの構築など)
2) 事業の変化(環境整備に向けての取り組みなど)
3) 連携の推進(関係機関との連携、企業との連携など)

(3)目標の達成度
1) QOLの向上
2) 生活習慣指標の改善
3) 健康指標
4) 住民意識の変化

 

 今後取り組みたい事項等

 新たな視点から女性の健康づくりへの支援、介護予防、たばこ対策について重点的に取り組んでいきたいと考えている。たばこについては、喫煙者への健康影響の認識(能動喫煙)や非喫煙者への健康影響の認識、禁煙支援プログラム実施数(市町村)などの指標は策定時データと比べて向上しているが、一方で妊娠・育児中の女性の喫煙率や未成年で喫煙を経験している人の割合、禁煙成功率などは低下傾向を示しており、対策の強化が必要となっている。また、健康診査などの面で産業保健との連携も今後の課題の1つである。
 健康づくりでは、県民生活に最も身近な市町村の果たす役割は大きい。調査では対人サービスについての県民のニーズが高いことなどから、市町村への支援充実が必要とされる。市町村がそれぞれの地域特性を踏まえて計画の目標を具体的な事業展開につなげられるよう、保健所の情報提供や技術支援を充実するとともに、計画策定担当職員研修の実施などを検討し、市町村計画の策定を促進したいと考えている。 「すこやか彩の国県民会議」については、県民主体の健康づくりを推進する上で重要な役割を担っており、民間団体、企業、市町村、県の相互間連携を深める必要がある。



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