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月刊誌「健康づくり」2002年5月号より

「第2回健康日本21全国大会」開催

健康長寿県を目指す島根で
第2回健康日本21全国大会会場  近い将来、超高齢者社会を迎える日本。今国民一人ひとりには、年齢を重ねても健康で生き生きと、自立した質の高い生活を送ることが望まれている。そのための環境づくりを推進し、正しい健康の知識を普及させるために、平成12年から厚生労働省が中心となり、国、各都道府県、各市町村で行われているのが国民健康づくり運動「健康日本21」。
 全国的な活動の中心である全国大会の第1回は、平成13年3月に東京で行われたが、第2回以降は全国的に運動を広める意味合いから全国各地で開催されることとなり、2回目の今回は日本一高齢者の割合が多く、健康に対する意識の高い島根県で開催された。
 今大会のテーマは「語り合おう! 楽しく島根で健康長寿の国づくり」。会場となったのは島根県松江市にある「くにびきメッセ」で、開催当日の平成14年3月15日には、県内外から1,500人を超える人たちが集まった。特に県内からは一般の参加者が多く、健康に対する意識が高まり、浸透しつつあることを表していた。
 また、同時に開催された展示会「健康づくりサミットin島根」も熱心な参加者でにぎわい、地元島根県の各市町村の健康、健康長寿に対する取り組み方、高齢になっても生きがいを持って生活できるように指導する各市町村のサポートなどに多くの人たちが耳を傾けていた。

生活習慣病の大敵は…
 大会は第1回同様、坂口力厚生労働大臣の挨拶を「健康日本21」推進本部長・近藤純五郎厚生労働事務次官の代読で開会。近藤事務次官は挨拶に付け加え、「これからの社会は高齢者の方が増えてきて、若者が減ってくる社会。国民の健康づくりなくして、活力ある国づくりはできない。国民の健康保持が国、地方を問わずに大変重要なことになっている。まだまだ浸透していないが、ぜひとも、この運動を国民的な運動に高めていきたいという期待を持っています」と語った。
 続いて島根県の澄田信義知事が挨拶。全国一の高齢県である島根では、「すべての県民が健康で明るく、生きがいを持って生活できる社会の実現を目指しています。健康づくり、生きがい対策、要介護様態の予防、この3つを3本柱として、健康長寿日本一に向けて取り組んでいます」などと現状を話し、今年度、県民の健康づくりのシンボルとして作成した、マスコットキャラクター「まめなくん」を紹介した。島根では「元気ですか」を「まめなかね」といい、「まめ」という言葉は達者、身体が丈夫であるということにも使われている。
 そして、健康日本21企画検討会座長でもある自治医科大学学長の高久史麿氏による「健康で活力ある21世紀へ ─ 健康づくりの推進」というテーマで基調講演が行われた。講演の中心は生活習慣病と健康づくり。病気の65%から70%は生活習慣から起こるものであるということから、食生活、運動、喫煙、アルコール、糖尿病などの話を展開。中でも特に肥満を防ぐこと、禁煙が重要であることを強調し、最後に「国民一人ひとりが健康を自分自身の問題としてとらえて、それを日常の活動、生活に反映していく、これが健康日本21のもっとも重要なことと考えています」と語った。

まめなくん  高久史麿自治医科大学学長  澄田信義島根県知事  近藤純五郎厚生労働省事務次官

歩くことは文化
 今回のパネルディスカッションのテーマは「健康日本21の推進」。地元島根県の保健環境科学研究所長の関龍太郎氏をコーディネーターに、さまざまな立場で健康づくりにかかわっている4人のパネラーから、各々の活動が報告された。
 まずは宮城県宮崎町で健康日本21の市町村地方計画を策定、試行し、本格実施までこぎ着けた宮城大学大学院健康政策学教授の工藤啓氏。自らが手がけた健康日本21の地方計画の実態を紹介しながら、「健康づくりは行政だけのサービス提供では実現しません。住民の積極的な健康づくりへの参画が不可欠です。そのための道しるべとなるのがこの計画なのです」と結んだ。
 続いて産業医という立場から、職場での健康づくり「高血圧、糖尿病を予防しよう!」をテーマに報告したのは、大阪ガス株式会社健康推進室健康管理センターの岡田邦夫氏。最近特に重点を置いているのは生活習慣病の一次予防。急性の病気にかかる人よりも、慢性の病気にかかる人が増えてきていることから、これからは予防とケアの時代だという。従業員の健康診断の結果を分析するなどして、診察やケアに役立てている。「健康診断結果からの個人への保健指導のみならず、職場全体で、また企業ぐるみで健康づくりの環境を構築していくことも必要である。両者への働きかけによって、より大きな効果が期待できるのはないかと考えている」と語った。
 そして身近な歩くということに、どのように取り組んでいるか、「生涯健康ウオーカーを目指して、あなたのまちで、楽しく健康ウオーキング」をテーマに社団法人日本ウォーキング協会副会長、村山友宏氏が報告。歩くことがいかに必要かを示した後に、提唱している「不便と健康を楽しむ123運動」(1駅分は歩く・2キロまでは歩く・3階までは歩く)、ウオーキングを長続きさせる8カ条を紹介し、「負荷一点張りの運動ウオーキング(エクササイズ)だけでなく、心身一如の休養ウオーキング(リラックスウオーキング)も織り交ぜた“楽しいウオーキングライフ”として展開していきたいものである」と締めくくった。そして最後は地元住民の立場から、「私の健康づくり活動」をテーマに、多気町食生活改善推進協議会理事の石飛なす子氏が活動などを報告。島根県の健康長寿7カ条を紹介し、「すばらしい仲間たちと、この7カ条の実現を目指して地域の中で、できることから実践していきたい」と語った。
 ところで、このパネルディスカッションの途中で、健康日本21推進国民会議の委員でもある俳優の加藤剛氏からのビデオメッセージが紹介された。自身の健康の秘けつは歩くことと語る加藤さんは、55歳の時に全国を歩き始めて日本地図を完成させた伊能忠敬のことを話し、歩く文化を取り戻すことが、生活習慣病を防ぐことであると、歩くことの大切さを伝えた。

平成15年は滋賀県
 パネルディスカッションの後に、島根県出雲圏域健康長寿しまね推進会議で作られた健康体操が紹介、指導され、KIROROの「ベスト・フレンド」に合わせて、会場全員が実際に体操を行った。
 そして「今日から健康生活!行動科学を使ってみよう」をテーマに早稲田大学人間科学部教授の坂野雄二氏の特別講演が行われた。生活習慣病をもたらす悪い習慣を止めることは簡単ではないし、完全に止められないかもしれないので、発想の転換が必要。発想を切り替えて、ただ止めるのではなく、他の方法を考えることを示唆。例えば、たばこなら、まず買い置きをしない、灰皿を隠す、たばこを持ち歩かないなどから始める。
 また、お酒は買い置きをしない、目につくところに置かないなど。悪い点を無くすことではなく、良いところを積極的に増やしていくようにするといい。また、大きな目標をただ掲げるのではなく、具体的な行動目標を立てること、自分を褒めることも大切、さらに家族にサポートを依頼するのも重要だ。
 大会はこの後、次回の開催地、滋賀県からの挨拶と、アトラクションとして地元の石見神楽「大蛇」が披露されて幕を閉じた。

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